法律Q&A

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(改正)配偶者短期居住権及び配偶者居住権

1. 配偶者短期居住権(1)-配偶者短期居住権の意義とこのような権利が認められた趣旨

介護施設に入居していた夫が亡くなり、妻である私と息子A・Bが相続しました。夫の遺産は、私が無償で居住していた甲建物とわずかな預貯金だけです。夫死亡後すぐに遺産の分配をめぐり争いになり、息子たちは甲建物を早く売るために私に甲建物からすぐに出て行けと要求しています。私はすぐに出て行かなければならないのでしょうか。

すぐに出て行く必要はありません。遺産分割により甲建物の帰属が確定する日または相続開始時(夫死亡時)から6か月を経過する日のいずれか遅い日までの間、すなわち最低でも相続開始から6か月間は甲建物に無償で住むことができます。したがって、遺産分割の協議が相続開始から6か月を経過した時点で調い、甲建物をAが取得することになった場合は、そのときまで無償で居住することができます。

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2. 配偶者短期居住権(2)-配偶者短期居住権が発生する場合

 夫が亡くなり、妻である私と先妻との間の子であるAが相続しました。夫の遺産は、私が夫と同居していた甲建物と預金2000万円でしたが、夫は「預金2000万円を妻(私)に相続させる。甲建物はAに相続させる。」という遺言を残していました。Aは、私に甲建物からすぐに出て行けと要求しています。私はすぐに出て行かなくてはならないのでしょうか。

すぐに出て行く必要はありません。配偶者短期居住権が発生し、Aから退去要求のあった日から6か月間は、無償で甲建物に居住することができます。

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3. 配偶者居住権(1)-配偶者居住権の意義とこのような権利が認められた趣旨

夫が亡くなり、妻である私と先妻との間の子であるAが相続しました。夫の遺産は、私が夫と同居していた甲建物(評価額2000万円)と預貯金3000万円の合計5000万円です。私は、高齢でもあり、甲建物に引き続き居住したいのですが、遺産分割で甲建物を取得した場合は取得できる預貯金額が少なくなり、これからの生活が心配です。住む場所を確保して、なおかつ預貯金を多く取得することはできないのでしょうか。

遺産分割協議または遺産分割調停において、あなたが甲建物に無償で居住できる配偶者居住権を取得し、甲建物の所有権をAが取得する方法があります。例えば、配偶者居住権が1000万円と評価された場合、法定相続分(2分の1)に従えば、あなたは配偶者居住権のほか預貯金1500万円を取得することができます。

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4. 配偶者居住権(2)-配偶者居住権が発生する場合

私と妻は、いずれも再婚の夫婦で、私には先妻との間の子であるAが、妻には先夫との間の子であるBがいます。子どもたちとはいずれも養子縁組はしていません。私は、現在妻とともに私所有の甲建物に居住していますが、私の財産はそれ以外に若干の預金があるくらいで、私の死後、妻とAとの間で相続争いが起こり、妻が引き続き甲建物に住み続けることができるか心配です。そこで、妻に甲建物を遺贈することも考えましたが、それでは妻が死亡したときに甲建物の所有権をBが相続してしまうことになります。私の死後も妻が甲建物に住み続けることができ、かつ、甲建物の所有権はAが取得できる方法はないでしょうか。

妻に配偶者居住権を、Aに甲建物を遺贈する方法があります。また、妻に配偶者居住権を、Aに甲建物の所有権をそれぞれ贈与する旨の死因贈与契約を締結しておくことが考えられます。

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5. 配偶者居住権(3)-配偶者居住権の存続期間、譲渡・買取請求

夫が亡くなり、妻である私と先妻との間の子Aが相続しました。夫の遺産は、私が無償で居住していた甲建物と預貯金です。私は、甲建物に引き続き無償で居住したいので、遺産分割で配偶者居住権を取得したいのですが、私は、どのくらいの期間、居住を続けることができるのでしょうか。また、私が、高齢となって身体が不自由になり、介護施設に入所する必要ができたとき、その費用の足しにするため、配偶者居住権を第三者に売ったり、甲建物の所有権を取得したAに対して買い取ってもらうことはできるのでしょうか。

配偶者居住権の存続期間は、遺産分割等で特に定めがなされない限り、配偶者の終身(配偶者が死亡するまでの期間)ということになります。この配偶者居住権は、第三者に譲渡することはできません。配偶者居住権を建物所有者に買い取ってもらうことは可能ですが、配偶者に一方的な買取請求権があるわけではなく、建物所有者との合意が必要です(なお、建物所有者の承諾を得たうえで第三者に居住建物を賃貸することはできます。)。

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