法律Q&A

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賃料増減額請求

1. 地代や家賃の増減額請求の可否及び手続

私は、現在アパートを所有し、住人に賃貸しています。アパートの住人とは30年ほど前に賃貸借契約書を交わしており、契約書には賃料が記載されています。けれども、年月が経ち、当初定めた家賃は、近隣のアパートと比べて非常に低いものになっています。そこで、アパートの住人に対して賃料の値上げを要求したのですが、応じてもらえませんでした。この場合、賃料の増額を請求することはできないのでしょうか。

一定の場合には賃料の増額請求が可能です。設問の事例ように、アパートの住人が賃料の増額に応じてくれない場合、家主は、裁判所に対し調停を申立てることになります。調停が成立しなかった場合には適正な賃料額を確認する訴訟を提起することになります。

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2. 賃料の改定基準

賃借人に賃料の増額を請求する場合、適正な賃料額はどのように考えたらよいのでしょうか。賃料額を決めるにあたり、どのような要素を考慮すればよいのでしょうか。

原則として、①土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減、②不動産価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動の有無、又は③近傍同種の建物の借賃との比較等により、相当とされる賃料を決定することになります。ただし、場合によっては上記以外の当事者間の個人的な事情が考慮されることもあります。

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3. 賃料の増額請求と賃借人の債務不履行

賃借人に対して賃料増額請求をしましたが、賃借人は従前通りの賃料を支払ってくるのみで、裁判で適正な金額が確定するまでは増額分は支払わないと言っています。請求している賃料からすると一部不払いの状態が続いているので、賃貸契約自体を解除してアパートを出ていってもらうことは可能でしょうか。

賃料増減額を決める判決が確定するまでは、賃借人が従前の賃料を払っている限り、賃料不払いを理由とする解除はできません。賃借人が従前通りの賃料を供託した場合も同様です。

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4. サブリース契約と賃料増減額請求の可否

私は、土地を所有していましたが、1990年代に、不動産賃貸の事業者であるA社と、私の所有する土地上に私の資金で建築した建物で転貸事業を行うため、A社と予め賃料額、その改定等につき協議をし、建物をA社に一括して賃料自動増額特約の下に賃貸することを内容とする契約(いわゆるサブリース契約)を締結しました。ところが、いわゆるバブル経済の崩壊により、建物の賃料収入が減少したため、A社が毎年自動的に増額されるはずの賃料を支払ってくれません。それどころが、A社は賃料の減額を請求すると言ってきています。これでは、最初にA社が私に説明した収支予測と話が全く異なります。そこで、私は、A社の賃料減額請求を拒むことができるでしょうか。A社とは、毎年賃料を増額して支払うという約束で建物を賃貸したのですから、減額請求などされると困ります。

A社の賃料減額請求を拒むことはできません。ただし、本件はいわゆるサブリース契約に該当するので、適正賃料額を決定するに際して、特別な考慮がなされる場合があります。具体的には、本件サブリース契約における建物賃貸借事業の当初の収支予測や賃料収入の見通しについての当事者の認識、賃貸人の銀行からの借入額や返済状況等が考慮されます。

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