法律Q&A

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相続関係

1. 相続財産清算人、特別縁故

親しくしていた従兄が先月亡くなりました。彼は独身で、子どもも、親、きょうだいもいません。彼の遺産は、マンション、車、株式、預貯金です。私は、彼が自宅療養中の数年間、日常的に必要品や食事を届け、通院に付き添い、入院時には身元引受人になり、頻繁に見舞いをしていました。死亡後は、喪主として葬儀を執り行い、両親の墓に埋葬しました。彼の入院費や葬儀費用等も負担しています。亡くなる直前に彼は、「お前に俺の財産を全部やる。」とは言っていましたが、遺言書はありません。彼の財産について、どのようにしたら良いですか。

あなたは彼のいとこですので、彼の相続人にはなれません。彼には相続人がおらず、遺言書もないので、彼の財産を管理するには、家庭裁判所に相続財産清算人選任の申立てをする必要があります。そして、選任された相続財産清算人から、あなたが負担した費用等の清算をしてもらいます。また、その際、家庭裁判所に特別縁故者として、彼の財産の分与請求の申立てをすれば、遺産の分与を受けられる可能性があります。

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2. 期間経過後の遺産分割、寄与分

両親について、以下の経緯があります。
平成25年1月:父死亡、母が父の遺産を全て相続
平成26年1月:母が倒れ、要介護3、私は仕事を辞めて実家で母の介護を開始(母死亡時まで)。
令和元年8月1日:母死亡

相続人は、私と兄と妹の3人ですが、疎遠で母の遺産分割はできていません。母の遺産分割に当たっては私の介護の貢献を考慮してほしいと思っています。このまま遺産分割をしないとどうなりますか。

相続人間で遺産分割協議ができない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停の申し立てをしてください。その調停で、あなたの場合は、介護をしたことに関する寄与分の主張をする必要があります。その場合、あなたに寄与分が認められる可能性はあります。ただし、遺産分割調停(又は審判)の申立てを令和11年8月1日(死亡時から10年目)までに行わないと、原則として、寄与分の主張をすることができなくなります。

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3. 遺産分割事件の取下げ、特別受益

亡父の相続について以下の経緯があります。
令和2年4月:父が兄にマンション購入資金として1000万円贈与
令和3年3月5日:父死亡、遺産は実家の土地建物、株式と預貯金、相続人は母と兄と私の3人
令和3年10月から:遺産分割協議開始、私の提案(母の生活のため母が実家と預貯金を相続)を兄が拒否、話合い難航
令和4年10月:私と母が家庭裁判所に、兄を相手方として遺産分割調停の申立て、話合いは難航
令和5年10月:兄が海外転勤となり、調停に出席しなくなった(弁護士もつけていない)

このような経緯で調停での話合いが進まず、私と母は、このままでも良いので調停を取り下げようかと思っています。調停の取下げに問題はないですか。

現時点では、兄の同意がなくても、あなたとお母さんは遺産分割調停事件を取り下げることができます。しかし、その後、改めて遺産分割調停又は審判の申立てをして、令和13年3月5日(死亡時から10年)を過ぎると調停又は審判の取下げには兄の同意が必要になります。同月6日以降に遺産分割調停(又は審判)を申立てた場合の取下げについても同様に兄の同意が必要になります。また、父の兄に対する1000万円の援助は特別受益に当たると考えられますが、令和13年3月6日(死亡時から10年経過した日)以降に遺産分割調停の申し立てをした場合には、原則として、特別受益の主張ができなくなります。

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<所有者不明土地問題等をめぐる法改正(令和3年改正)の一覧ページへ>

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