法律Q&A
定期借地権
- 1. 定期借地権
定期借地権とは何ですか。普通借地権とどう違いますか。
定期借地権にはどのようなものがありますか。定期借地権は更新のない借地権です。普通借地権は更新のある借地権です。
定期借地権は、更新がないため存続期間の満了等により確定的に借地関係が無くなります。
定期借地権には3 種類あります。概略は、下表の通りです。- 詳細はこちら
- 2. 一般定期借地権
先祖代々の土地を、できるだけ長期間で居住用建物用に貸して欲しいという申込があります。定期的に賃料が入り、借地期間が終われば必ず返してもらえて、立退料等も支払わずに済むのなら貸しても良いと考えていますが、良い方法がありますか。
一般定期借地権があります。
これは、①借地期間を50 年以上、②契約の更新がないこと、③建物の再築による借地期間の延長がないこと、④建物買取請求権がないこと、⑤これらを公正証書等の書面に定めることにより成立します。
借地期間が長期間にわたるので、後日の紛争を避けるために、その間に生じうる種々の事情を想定した契約内容にする方が良いでしょう。- 詳細はこちら
- 3. 事業用定期借地権等
有料老人ホーム業者から、事業用定期借地権等で土地を貸して欲しいといわれていますが可能でしょうか。病院や介護老人保健施設に貸すときはどうでしょうか。
事業用定期借地権等で貸すときは、どのような点に注意をする必要がありますか。事業用定期借地権等は、もっぱら事業の用に供する建物で居住用でないものの所有を目的とすることが必要とされています。したがって、有料老人ホームは事業用借地権の対象とはなりませんが、病院等は、医療提供施設であるため対象となります。
事業用定期借地権等は、公正証書で作成する必要があります。このため、公正証書作成前に事前にその内容を取り決めておいた方が良いでしょう。その他の注意事項は、一般定期借地権を見てください。- 詳細はこちら
- 4. 建物譲渡特約付借地権
借地契約をしますが、一定期間経過後、地主が借地人から地上建物を買い取って借地契約を終了させることができる契約にしたいのですが、そのようなことができますか。どのような点に注意をする必要がありますか。
借地契約の際に、「借地契約後30 年以上経過した日に、貸主が建物を相当の対価で譲り受ける」旨の定めをすることによってできます。建物を譲り受ける地位を確保するために建物に仮登記をしておいた方が良いでしょう。ただし、借地契約が終了しても、借地人や借地上建物の賃借人が建物を利用したい場合は、これらの者が請求すれば、建物の利用権(法定借家権)が残ります。しかし、定期借家契約を利用することは可能です。
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- 5. 定期借地権上の建物の賃借人の立場
①一般定期借地権で土地を借りており、借地期間が満了すれば土地を更地にして明渡さなければなりませんが、借地上の建物の賃借人にも明渡してもらうことはできるでしょうか。
②借家していたところ、突然、家主から一般定期借地権で土地を借りていて建物を取壊すので、建物を明渡して欲しいと言われています。明渡さなければならないでしょうか。①借地期間満了前を建物賃貸期間の満了日とする定期借家契約をして明渡してもらえます。また、定期借家契約でなくても、借地人(家主)は建物賃借人と賃貸契約をする際に、建物取壊し時には賃貸契約が終了する旨の特約をすることが認められていますので、この特約により明渡してもらえます。
②上記の契約等がない場合で、建物賃借人が借地契約の終了を、その1 年前までに知らなかったときは、裁判所に申立てて、その事情を知った時から1 年の範囲で明渡しを猶予してもらえます。- 詳細はこちら
- 6. 普通借地権から定期借地権への変更
何十年も前から土地を貸していますが、賃料も上げてもらえず、なかなか返してももらえません。更新がなく、立退料もいらないという定期借地権というものがあると聞きましたが、これに変えることはできませんか。
平成4 年施行前の借地契約は、普通借地権ですが、これを定期借地権に変えることはできません。ただし、一旦、地主と借地人との合意により、普通借地権を合意解除し、改めて定期借地権を成立させることは、可能な場合があります。
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