法律Q&A

法律Q&A

労働条件の変更

1. 労働条件変更の形態

入社時に決められていた労働条件が変更されるのは、どういった場合でしょうか。

労働条件とは、給与額、休憩・休暇の態様、退職金額等多岐にわたります。雇用関係も労働契約という契約になります。こうした労働条件は、入社時の労働契約によって定められるのが原則です。したがって、まず、①使用者、労働者の契約当事者のいずれもが変更に合意した場合、労働条件の変更は可能です(労働契約法3条、8条、Q2)。次に、使用者が従業員全般にわたって労働条件の変更をする場合があります。これは、②就業規則の変更(Q3)、③労働組合との協議による労働協約の変更(Q4)、によって行われることになります。

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2. 合意による変更

上司から迫られて、退職金算定基準の変更に同意する書面に署名してしまいました。しかし、よく見ると退職金額が大幅に減額されています。書面に署名してしまうと、何も言えなくなるのでしょうか。

就業規則の変更のない場合は労働契約法違反となり(労働契約法12条)、就業規則の適用が受けられます。また、不利益内容について十分に説明を受けて同意したのでない限り、同意の効力はありません。

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3. 就業規則の変更による労働条件の変更

就業規則を変更することによって、労働条件の切り下げができる場合があると聞きましたが、有効か否かは、どういった基準で判断されるのでしょうか。

就業規則の変更に「合理性」が認められることが必要であり、「合理性」が認められるか否かは、「就業規則変更の必要性の内容・程度、変更による不利益の程度、変更後の就業規則の内容の相当性、代償措置その他関連する労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関するわが国社会における一般的状況」等を総合考慮して判断されることになります(労働契約法10条参照)。そして、賃金、退職金などの労働者にとって重要な権利の変更については、「高度の必要性に基づいた合理性」が要求されます。
また、就業規則は労働者に周知させる手続を経ていないと拘束力を生じません(労働契約法7条、労働基準法106条参照)。

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4. 労働協約の変更による労働条件の変更

労働組合との協議によって従前の労働条件を変更する労働協約が締結されましたが、こうした協約には反対の労働者も拘束されてしまうのでしょうか。

労働協約の場合は、これが不合理でない限りその効力を生じます。但し、労働協約の効力が及ぶのは原則として、その協約を締結した労働組合の組合員である従業員です。但し、事業場の4分の3以上の従業員を組織する労働組合が締結した労働協約は、当該事業場の非組合員にも効力が及びます(労働組合法17条)。

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