法律Q&A

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水道管等の敷設や建物修繕工事のための隣地使用

1. 水道管、ガス管等を設置するための隣地使用

私は、このほど相続した土地に自宅を新築したいと考えていますが、この土地は周囲を他人の土地に囲まれていて、上下水道、ガスを設備するためには、Aさん所有の隣地に水道管、下水管及びガス管を敷設して市道に埋設されている公共上下水道本管及びガス本管につなげる必要があります。私は、Aさんの土地に水道管等を敷設することはできるのでしょうか。

Aさんの承諾を得てAさんの土地に水道管等を敷設させてもらうことが望ましいですが、Aさんの承諾を得られない場合でも、水道管等を敷設させてもらうことができます。ただし、その際は損害が最も少ない場所及び方法による必要があり、Aさんに損害が生じた場合は償金を支払わなければなりません。

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2. 他人が設置した給排水設備への導管等接続

私の土地は公道に接しておらず、私の家の給排水は、他人の土地に水道管及び下水管を敷設させてもらい、市道に埋設されている上下水道の本管につなげる必要があります。隣のAさん所有の土地には、既にAさんの水道管及び下水管が設置されており、これに私の家からの水道管及び下水管をつなげば、私の家から最短の距離となり工事費も少なくて済みます。私は、Aさんの水道管及び下水管に私の水道管及び下水管をつなげて利用することができるでしょうか。

導管袋地のため自宅から公共下水道本管につなぐための水道管及び下水管を他人所有地に敷設する必要があり、既に設置されている他人の水道管及び下水管を利用することでその給排水設備の効用を著しく害するなどの特段の事情がないときは、自宅からの水道管及び下水管を他人の給排水設備につないで利用することができます。ただし他人の給排水設備を利用させてもらうことについて相応の費用負担をする必要があります。

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3. 隣地の新所有者からの水道管等敷設の拒絶

私(X)所有の甲土地は公道に接しておらず、自宅の水道の引込みや排水は、隣のBさんにお願いして、Bさん所有の乙土地に水道管及び下水管を埋設して、市道地中の公共上下水道本管につなげていました。ところが、乙土地を買い受けたYから、「この度自宅を新築することになったが、お宅の水道管と下水管が邪魔になる。今後、お宅の水道管及び下水管の設置を認めるわけにはいかないので、撤去してほしい。」と言い渡されました。私は撤去に応じなければならないのでしょうか。

甲土地が導管袋地であるので、Xは必要な範囲内で乙土地に水道管等の導管を設置する権利があります。したがって、Yが既にあるXの水道管等を一方的に撤去することは違法であり、仮にYが強引に実力行使をしようとするのであれば、仮処分を申請してこれを差し止めることができます。ただし、Xの水道管等がYの自宅の新築に支障となるのであれば、これらの移設に協力する必要があります。

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4. 建物改修のための隣地使用

私は、自分が所有する土地上に4階建てのビルを所有していますが、この建物は老朽化が進み、危険であるため、大規模な修繕工事をする必要があります。私の建物は隣地との境界線ぎりぎりに建てられているため、修繕工事を実施するには、隣地に足場を組んだり建築資材等を置かせてもらうことや、建築業者が出入りすることを認めてもらう必要があります。このような場合、私は、隣地を使用することができるのでしょうか。

隣地所有者に頼んで隣地の一時使用を認めてもらうのがいちばんいいのですが、隣地所有者が拒絶しても、建物修繕工事のために必要な範囲内であれば、隣地に足場を組んだり、建築資材等を置かせてもらうことや、建築業者の立入りを容認することを求めることができます。ただし、隣地使用により損害が生じた場合は償金を支払う義務が生じます。

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