法律Q&A

法律Q&A

消費者法

消費者契約法 契約条項の無効

1. キャンセル料条項の無効について

消費者契約法では、不当なキャンセル料を定める契約条項は無効となると聞きましたがどのような場合に無効となるのでしょうか。

消費者契約法9条1号は、消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効について「当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」について、当該超える部分を無効としています。

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2.  

将来の葬儀費用等に使えるということで冠婚葬祭互助会契約をし、月額1,500円の積立金を8回積み立てたところで解約したところ、返金される返戻金はなしだと言われました。このようなことは許されるのでしょうか。

許されません。裁判例でも冠婚葬祭互助会の解約金条項を無効としたものがあります。

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3.

マンションの賃貸借契約で敷金20万円のうち、15万円が返金されない「敷引特約」があります。このような特約は有効でしょうか。
また、この契約では更新時に賃料2ヶ月分の「更新料」を支払うという更新料条項があります。このような特約は有効でしょうか。

 

最高裁判決によれば、敷引特約については、「当該建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額、賃料の額、礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし、敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には、当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り、信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって、消費者契約法10条により無効となる」とされています。
また、更新料条項については、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないとされています。

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4.  

コインパーキングに「当駐車場における盗難・事故については一切責任を負いません。」と書かれていました。コインパーキングでパーキングの車止めに不具合があって私の車両が損傷したのですが、損害賠償請求できないのでしょうか。

できます。

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消費者契約法 取消ができる勧誘

1. 消費者の「誤認」による取消1  消費者契約法の「不実告知」

雑誌の広告にあった、「腰痛に良い、高血圧にも効果がある」という、甲株式会社が販売する電位治療器と電線の入った敷き布団のセットに興味を持ちました。電話連絡をしたところ、身体にとても良い商品であり、多くの人から感謝の手紙が来ていますと言われました。詳しいパンフレットを送ってもらったところ体験談もあり、持病によいと思って45万円で電位治療器と電線の入った敷き布団のセットを購入することとして、指定された口座に送金しました。
1年ほど使っていますが、いっこうに効果が無いと思っていたところ、先日、新聞でこの業者が効果を証明できない商品を売っていたとして、行政処分を受けたとの記事がありました。代金を返してもらえるでしょうか。

消費者契約法4条1項1号に定められた、重要事項について事実と異なることを告げて勧誘した「不実告知」に該当し、取消の意思表示をして代金を返してもらうことができます。

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2. 消費者の「誤認」による取消2 消費者契約法の「断定的判断の提供」

「この方法を使えば必ず利益が上がる。代金の20万円は必ず元が取れる。」と言われて「競馬必勝法」のソフトを乙から20万円で購入しました。乙は、インターネットで広くこのソフトを販売しています。しかし、内容は人気順やオッズを組み合わせるだけで、当たるときもありますが、外れることも多く到底利益が必ず上がるというものではありませんでした。だまされたのではないかと思うのですが。

消費者契約法4条1項2号に定められた、将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供して勧誘したことに該当し、これによって消費者が確実であると誤認しているので、取消の意思表示をして代金を返してもらうことができます。

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3. 消費者の「困惑」による取消 消費者契約法の「退去妨害」

丙株式会社の宝石の展示会があるというので、ホテルの会場へ行きました。展示されている商品を見ていると、店員の方が「いかがですか」と言ってきたので、私の好みを話しました。その後、その店員のほか、色々な人が一緒に勧誘してきたので、「もう少し、1人で見たいので」と言いましたが、店員はついてきました。30分ほど見て、帰ろうとしたら、ずっとついていた店員に呼び止められ、「これがあなたに似合う」「予算の範囲に値引きする」「今を逃すとチャンスはない」と言われ、店長という人まで来て展示会の奥のスペースで色々な商品を見せられました。次の予定があったので、「そろそろ予定があります」と言いましたが、1時間ほど色々言われて帰れそうになく、結局10万円のダイヤのペンダントを購入することにしました。しかし、家に帰ってから納得できませんでした。契約は解消できるのでしょうか。

消費者契約法4条3項2号に定められた、事業者が勧誘している場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から退去させない「退去妨害」に該当し、取消の意思表示をして代金を返してもらうことができます。

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訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入

1. 訪問販売

セールスマンが自宅にやってきて、勧められるままに学習教材の契約をしました。後から冷静に考えると高いと思います。契約をやめることはできますか。その場合、損害賠償を請求されたりしませんか。

本件セールスマンの行為は、特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)の訪問販売にあたります。したがって、クーリング・オフとして契約の解除をすることが考えられます。
この場合、販売業者は損害賠償を請求することはできませんし、引き渡された学習教材の引取りに要する費用は販売業者の負担となります。

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2. クーリング・オフの要件

上記1.の契約についてクーリング・オフをしようと思います。どのようにすればいいですか。セールスマンが「これは特別な契約だからクーリング・オフはできません。」と言っていたので、それを信じてクーリング・オフをしないまま10日が経過しましたが、クーリング・オフをすることは可能ですか。

クーリング・オフは、条文上書面で行うことが必要とされています。本件ではセールスマンがクーリング・オフを妨害するために不実の説明を行い誤認させられているので、クーリング・オフは可能です。

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3. 電話勧誘販売

「海外旅行に安く行ける会員制のクラブです。興味のある人は○○番へお電話ください。」との電子メールが届いたので電話をしてみたところ、英会話の教材を購入させられました。契約をやめることはできますか。

本件業者の行為は、特商法の電話勧誘販売にあたります。したがって、クーリング・オフとして契約の解除をすることが考えられます。

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4. 訪問購入

先日、高齢の母の自宅に貴金属の買取業者がやってきて、母の結婚指輪を1000円で買い取っていったそうです。大事な指輪ですし、返してもらうことはできませんか。

本件買取業者の買取行為は、特商法の訪問購入にあたります。したがって、クーリング・オフとして契約の解除をすることが考えられます。

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特定継続的役務提供契約

1. 特定継続的役務提供契約のクーリング・オフ

しつこく勧誘されて、エステティックの契約をしてしまったのですが、やはり辞めたいと思っています。契約を無かったことにできないでしょうか。

エステティックは、特定商取引法上の特定継続的役務契約に該当しますので、業者には、同法が定めた事項を記載した契約書面等を交付する義務があります(法42条)。この書面を受領した日から8日以内であれば、クーリング・オフができます(法48条)。契約書面を受領していない場合や、書面を受領していても特定商取引法が定めた事項がきちんと記載されていない場合には、8日の期限は起算されませんので、その場合もクーリング・オフをすることができます。

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2. 不実告知、事実の不告知に基づく取消

エステティックの契約をしたのですが、サロンが販売している化粧水を購入しないと施術ができないと言われています。当初の勧誘や契約書面には、そのような記載は全くありません。話が違うので解約したいのですが、できるでしょうか。

特定継続的役務契約では、勧誘にあたって、一定の事項について不実のことを告げたり、故意に事実を告げなかった場合には、契約を取り消すことができます(法49条の2、44条1、2項)。化粧水の購入が施術の要件であるとすれば、そのことを告げないのは故意に事実を告げなかったことになり(法44条1項2号)、取り消すことができます。

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3. 中途解約

エステティックの契約をして、代金を一括して支払い、一定は施術を受けました。しかし、どうも効果がないように思うので中途で解約したいのですが、まだ施術を受けていない分の代金の返還を求めることはできるのでしょうか。

特定商取引法では、特定継続的役務契約の中途解約権を規定しています(法49条)。この場合、契約書面で違約金等が記載されていたとしても、法が定める金額を超える金額は返還をしないといけないこととされています。

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金融商品被害

1. 金融商品被害とその回復の手段

銀行から金利が有利だからと勧められて、銀行が最長10年満期を延長できる特約つきという3年定期預金の契約をしたのですが、3年後、市場金利が高くなったのに契約時のままの安い金利で満期延長されてしまいました。定期預金ですし、自己責任であきらめるしかないのでしょうか。また、どのようにして被害を回復することができるのでしょうか。

まず、実勢金利よりも不利な金利で預金契約を延長されたことによる財産的損失があるといえます。これに加え、業者による違法・不当な勧誘行為が行われた場合には、自己責任とはいえず、金融商品取引「被害」であるといえます。
また、被害回復の手段としては、訴訟のほか、任意の交渉、全国銀行協会やFINMACのあっせん等のADRが考えられます。

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2. 投資信託

証券会社から、「年金に加えて毎月の生活資金の足しになる」と勧められ、それまで保有していた投資信託から短期で乗換え、毎月分配型という投資信託を購入しました。たしかに毎月配当があるのですが、あるとき、報告書をみて、基準価額が大きく目減りしていることに気づき、びっくりしました。基準価額が下がるなどということは全く聞いていません。証券会社の勧誘は問題ではないでしょうか。

投資信託は証券会社の手数料収入源として重要な商品と位置づけられており、顧客に対して、①短期の乗換えを勧めたり、②見かけの分配金は高いものの、実は元本の一部を取り崩す配当を行う「毎月分配型」の投資信託を勧めたりする傾向にあります。勧誘にあたって十分な説明が行われていなかったのであれば、問題です。

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3. 債券

証券会社から、外国のB社の発行した社債をすすめられて購入しました。オーダーメイドでつくった特別の商品とのことで、通常の社債とどこが違うのかよくわかりませんでしたが、金利も年約10%と高かったので、購入したところ、元本がほとんど戻ってきませんでした。担当者の説明によれば「A社の株式の価額が急激に下がったから」ということでした。なぜA社の株価が関連しているのかがさっぱりわかりません。

これは、おそらく仕組債といわれる債券であると考えられます。デリバティブが組み込まれており、顧客は知らず知らずのうちにオプションの売りの立場に立たされ、リターンに見合わないリスクを背負わされている可能性が高いといえます。

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4. 投資詐欺

自宅に突然パンフレットが届き、「2020年の東京オリンピックのオフィシャルグッズの製作会社」への投資を勧められたので、1口だけ出資しました。あとで少し不安になりましたので調べてみますと、運営主体は、金融庁に適格機関投資家等特例業務の届出をしているので安心、との口コミがありました。大丈夫でしょうか。

適格機関投資家等特例業務に関する制度は、本来投資のプロだけを対象として設計されたものですが、実際には、詐欺に悪用されるケースがあとをたちません。本件も、状況からみて、詐欺の可能性が高いです。こうした業者はすぐに破綻するか行方をくらませることが多く、被害回復のためには迅速に動く必要があります。
※下記ライブラリー記事掲載後、平成27年から平成28年にかけて行われた金融商品取引法の改正により、届出制が厳格になり、また、広く一般を対象とした勧誘が禁止されましたが、なおこの適格機関投資家等特例業務制度を悪用した詐欺が行われる可能性があります。引き続き、ファンドの勧誘にはご注意ください。

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高齢者・若年者の消費者被害

1. 高齢者や若年者の被害へ対応した消費者契約法の改正

近年、高齢者や若年者の被害を予防・救済するため、消費者契約法の改正があったと聞きましたが、その改正の内容はどのようなものですか。

消費者契約法は、2016年及び2018年にそれぞれ、取り消しうる不当な勧誘行為の追加や、無効となる不当な契約条項の追加等の民事ルールの改正が行われました。その中でも2016年に追加された「過量な内容の消費者契約」の取消権、2018年に追加された事業者の「不安をあおる告知」や「恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用」に対する取消権は、高齢者や若年者が被害に遭いやすい「つけ込み型」の不当勧誘に対応したものとなっています。

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2. 高齢者への過量販売

高齢で認知症気味の母が、数年前から自宅近くの呉服店の営業担当から頻繁に誘われ、年に何回も着物を購入し、ローンの総額が既に500万円を超えて、月々の支払も困難になっています。母は着物を着用する機会もほとんどないので、購入させられた着物は袖も通していない状態です。このような契約は取り消すことができないのでしょうか。

消費者契約法4条4項に定められた、消費者にとっての通常の分量等を著しく超えるものであることを知って勧誘したことに該当し、取消しの意思表示をして契約を取り消すことができます。

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3. 若者の不安をあおった勧誘

通っている大学の近くで就職に関するアンケートに答えたところ、後日電話で就職セミナーを運営する塾会社からセミナーへの参加の案内があり、参加しました。セミナー終了後、個室に呼ばれて「ここでウチの就活塾に入塾しなければ就職活動もうまくいかない。後悔する。」等と繰り返し告げられて勧誘されたので、不安になり、入塾の契約をしてしまいました。このような契約は取り消すことができないでしょうか。

消費者契約法4条3項3号に定められた、願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げて勧誘したことに該当し、これによって消費者が困惑して契約しているので、取消しの意思表示をして契約を取り消すことができます。

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4. 高齢者の不安をあおった勧誘

私の父は、高齢になってもの忘れが激しくなり、判断力も低下しています。そのような父が、先日、「投資用マンションを持っていなければ定期収入がないため今のような生活を送ることは困難である」などと不安をあおられ、高額な投資用マンションの購入を勧誘されて契約してしまったようです。このような契約は取り消すことができないでしょうか。

消費者契約法4条3項5号に定められた、消費者が加齢等によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げて勧誘したことに該当し、これによって消費者が困惑して契約しているので、取消しの意思表示をして契約を取り消すことができます。

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5. 霊感商法

仕事のことで悩みを抱えていたので、話だけでも聞いてもらおうと思って、雑誌の広告で見た霊能者のところに行きました。悩みを聞いてもらっていると「あなたには悪い霊がついている。このままいくと悩みが取れず、必ず不幸になる。」などと言われました。私はとても不安な状態になり、霊能者から除霊を1体10万円でするよう言われ、了解してしまいました。全部で5体除霊し50万円の契約でした。しかし、よく考えてみると、高額すぎるし脅されて契約したようなものです。返金してもらうことはできますか。

消費者契約法4条3項6号に定められた、合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げて勧誘したことに該当し、これによって消費者が困惑して契約しているので、取消しの意思表示をして契約を取り消すことができます。

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6. デート商法

半年くらい前にSNSで知り合った男性と仲良くなり付き合いだしました。それから2ヶ月くらいして、彼にダイビングスクールへつれて行かれて「ライセンスを取らないか」と誘われました。私はお金も無いし、スクールを受講したいとも思わなかったのですが、彼が強く勧誘するので、断ると彼との関係が悪くなると思い、断れずに契約してしまいました。しかし、ダイビングスクールの契約をした後、彼との連絡が取れなくなり、今思えば彼に騙されて契約してしまったのではないかと思います。このような契約を取り消すことができるでしょうか。

消費者契約法4条3項4号に定められた、消費者が当該消費者契約の締結について勧誘を行う者に対して好意の感情を抱き、かつ、当該勧誘を行う者も同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、当該消費者契約を締結しなければ当該勧誘を行う者との関係が破綻することになる旨を告げて勧誘したことに該当し、これによって消費者が困惑して契約しているので、取消しの意思表示をして契約を取り消すことができます。

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特定商取引法(通信販売、業務提供誘引販売、連鎖販売取引)

1. インターネット取引(通信販売)

インターネットで「3日で5kg激やせ!」と書いた健康食品の広告を見て、インターネットから申し込んでその商品を購入しましたが、実際には全くやせず、よく考えると3日で5kgもやせるはずはないと思うので、代金を返還してもらいたいのですが、可能でしょうか。

インターネットの広告を見て購入した場合、特定商取引法の「通信販売」になります。通信販売において、返品の可否や条件に関する特約を広告に表示していないときは商品の引渡を受けた日から8日間は契約解除ができ返金を求めることができます。実際と異なる事実を信じて購入した場合には消費者契約法に基づき契約を取り消し、返金を求めることができます。

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2. 内職商法(業務提供誘引販売)

「在宅でパソコンの入力業務。教材を買って試験に合格(ほとんどの方が合格しています。)すれば月に8万円。」との広告を見て、家計のたしになればと思い、50万円の教材を購入しました。しかし、実際には試験が異常に難しく、合格できそうにもありませんし、解約して50万円を返還してもらいたいのですが、可能でしょうか。

書面交付の日から数えて20日以内であればクーリング・オフをし、返金請求できます。また、事実と異なることが告げられていれば契約(申込の意思表示)を取り消し、返金請求できます。

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3. マルチ商法(連鎖販売取引)

「月収80万円も夢じゃない。人を紹介すればマージンが得られます。ネットワークビジネスで勝ち組に!」との広告をみて、健康食品を販売する代理店となり、新たな人を紹介すれば手数料を得られるビジネスに参加し、最初に代理店資格の購入代金として20万円を支払い、商品も仕入れました。しかし、思うように人が集まらず、やめて商品も返品して20万円を返金してもらいたいのですが、可能でしょうか。

契約書面を受け取った日(再販売型取引の場合で商品の引渡しの方が後である場合は、引渡しの日)から数えて20日間以内であればクーリング・オフができます。また、販売に際しクーリング・オフについて事実と違うことを言ったり、威迫したりしたことによって、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合は、20日を過ぎてもクーリング・オフできます。契約書面に法律で決められた事項が記載されていない場合も同様です。
勧誘に際し業者に事実と違うことを告げられ、その内容が事実であると信じて契約した場合や故意に事実を告げられなかったことによって契約した場合は、契約を取り消すことができます。これらの場合には返金請求できます。
クーリング・オフの場合、事業者は損害賠償や違約金の請求はできません。商品の引き取り費用も事業者負担です。ただし、契約解除は双方が原状回復義務を負うことになり、事業者は受け取った代金、登録料等を返還し、消費者は商品を返還します。
さらに、クーリング・オフできない場合には中途解約し、返品を認めるルールがあります。

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景品表示法

1. 概説

景品表示法とは、どのような法律ですか。

過大な景品類の提供と不当な表示を規制する法律です。

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2. 優良誤認表示

健康食品の通販サイトを見ていると、医薬品の認可は受けていないサプリメントについて、「高血圧に効く」と書いてありました。怪しいと思い、買うのをやめたのですが、このようなホームページの宣伝は、景品表示法に違反しないのでしょうか。

景品表示法上の「優良誤認」に該当し、違法である可能性があります。

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3. 景品表示法の行政規制

会社の法務担当者です。広報担当者が、法務部の了解を得ないで、前記2のようなホームページを作って、一定期間サプリメントの販売をしていたようです。「高血圧に効く」というような効能は、社内ではまだ実証されていません。景品表示法に違反すると、国からはどのような処分を受けるのでしょうか。

措置命令(措置命令に違反すれば刑事罰)及び課徴金の対象となります。

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4. 景品表示法違反の民事的効果

前記2の事案で国からの処分については分かりました。では、景品表示法に違反すると、民事的にはどのような影響があるのでしょうか。

適格消費者団体の差止請求の対象となり、また、景品表示法違反の表示によって顧客を勧誘したと認められる場合は、消費者契約法に基づいて個別の契約が取消しの対象となる可能性があります。

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5. 有利誤認表示・指定告示

有利誤認表示・指定告示とは何ですか。

有利誤認表示とは、商品等の価格を安くみせかけるなどの方法によって、取引条件が著しく有利であると消費者に誤認される表示です。指定告示とは、不当表示として内閣総理大臣に指定されたもので、具体的には、原産国に関する不当な表示、おとり広告に関する表示などがあります。

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6. ステルスマーケティング

ステルスマーケティングという言葉をよく聞きますが、何のことですか。日本ではどのような規制を受けていますか。

事業者が、消費者に宣伝だと気づかれないようにして行う宣伝のことです。日本では、優良誤認表示に当たる可能性がありますが、ステルスマーケティングに特化した規制はありません。

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消費者被害の相談窓口と救済方法

1. 消費者被害の相談窓口、情報収集窓口

インターネット広告で、「ダイエット効果のあるサプリメント、初回お試し90%off」との広告を見て注文し、商品が送付されて使ってみましたが効果が感じられませんでした。ところが、しばらくしてから、4回分の商品がまとめて送られてきました。1回分以外注文していないので、不審に思って業者に問い合わせたところ、5回分の定期購入が条件の販売であり、インターネット広告にも小さいが書いてあると言われ、高額な代金の請求をされています。「初回お試し」とうたいながら、定期購入が条件だというのはおかしいと思うのですが、このような消費者被害が多くあるのか、また、どう対応したらよいのかについて、気軽に相談できる窓口を教えてください。

悪質商法などの消費者被害については、都道府県や市町村に消費者生活センターや消費生活相談窓口が設置されています(京都府消費生活安全センター:電話075-671-0004、京都市消費生活総合センター:電話075-256-0800など)。それらの窓口に往訪するか、電話をすれば、情報提供をしてくれたり、相談にのってくれます。電話番号「188」に電話すれば近くの相談窓口に繋がります。
また、悪質商法やオレオレ詐欺のような特殊詐欺については、警察も通報や相談の窓口になっています。

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2. 消費者被害の被害回復方法

1のような消費者被害に遭ってしまったときに、被害を回復するにはどのような方法がありますか。それぞれ、特徴を教えてください。

①消費生活センターによるあっせん、②独立行政法人国民生活センターの裁判外紛争解決制度(ADR)、③弁護士に委任して交渉や裁判を提起するなどの方法があります。①②は行政が行い無料ですが、話し合いが基本です。合意ができないと解決できません。③は有料ですが、合意できなくても裁判等で解決することが可能です。

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3. 消費者団体訴訟制度

最近、消費者団体が消費者に代わって裁判をしてくれるという制度ができたと聞いています。どのような制度か教えてください。

内閣総理大臣から認定を受けた消費者団体が、問題のある事業者の勧誘、表示、契約条項などに対して、消費者に代わってこれを止めさせる差止請求訴訟制度と、多数の消費者の被害をまとめて回復するための訴訟を行う集団的消費者被害回復制度の2つがあります。

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4. 被害回復給付金支給制度と犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(振り込め詐欺救済法)による回復制度

80歳の私の母が、投資会社を名乗る電話勧誘で、聞いたこともないような会社の未公開株を「すぐに買い取ってくれる」との約束で購入させられ、高額な代金を指定された口座に振り込んでしまいました。このような場合、何か被害回復方法はないのでしょうか。最近、高齢者を狙う投資詐欺や特殊詐欺、ヤミ金融など消費者をターゲットとする犯罪行為が増えていますが、その被害者の被害回復を図る制度はないのでしょうか。

①振り込め詐欺やヤミ金融などの消費者を被害者とする犯罪の収益を没収・追徴した資金で被害者の被害回復を図ろうとする「被害回復給付金支給制度」と、②詐欺などの犯罪行為に使われた預貯金口座について、簡易な手続きで口座凍結し、預金残高から分配を得られる「振り込め詐欺救済法による回復制度」があります。

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消費者市民社会と企業の社会的責任

1. SDGsとは

当社は、地域で食品を製造して販売している業者です。最近、SDGsという言葉をよく耳にするのですが、いったい何なのでしょうか。また、一民間企業である当社にも、何か関係があるのでしょうか。

SDGsとは、2015年に「国連持続可能な開発サミット」で採択された、「持続可能な開発目標」のことです。政府のSDGs推進本部が掲げるSDGs実施指針においては、企業の規模を問わず、大きな役割が期待されています。

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2. 企業が消費者に対して果たすべき責任

SDGsが当社にも関係があるということはわかりました。その目標の一つとして、SDG12「つくる責任 つかう責任」とあります。当面、当社にとっては、これが関係がありそうですが、いまひとつ抽象的でよくわかりません。当社では、社会や消費者に対する責任を果たすために、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。

社会的責任(SR)についてさらに指標となるガイドラインとしては、ISO26000などがあります。その一つに消費者課題に取り組むための具体的行動の事例などが記載されており、チェックリストとして参考になります。

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3. 企業と消費者教育

なるほど、ようやく何をすれば良いか、少しわかってきました。ところで、ISO26000の中には、課題として消費者教育が重要とありますが、従業員教育ならともかく、消費者教育を企業が行うというのはどういう意味でしょうか。

消費者からの相談や苦情などの情報を把握し、分析する能力のある企業は、これを活かして消費者へ情報を提供し、その自立を支援すべき義務があります。消費者教育推進法では、企業も教育の主体として重要な役割を担っているとされています。

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